北欧神話ーグリンブルスティと神々の宝の誕生

またまたボスと北欧神話。
興味ない人はスルーで。
 
 
 
第14階層ラストマスのボス、ヒルディスヴィーニ
 
ヒルディスヴィーニ
 

そして16階層ラストには、グリンブルスティ
 
グリンブルスティ

 
それぞれがアースガルドの神フレイ、フレイヤ兄妹(双子)の所有物(乗物)。
大きいほう(グリンブルスティ)がお兄ちゃんで、小さい方(ヒルディスヴィーニ)が妹のだ。
わかりやすいね。
二人とも別の乗物ももっていたけれど、このイノシシも愛用していた。
北欧神話の神々はそれぞれ乗物をもっているけれど、イノシシを所有するのはこの二人だけみたい。
イノシシは多産だから。
多産=豊穣の印なんだ。
二人とも豊穣の神だから、多産の動物がふさわしい、ということみたい。
まず兄フレイのイノシシから。
 
 
グリンブルスティ
 
パペガのグリンブルスティは、こげ茶色してて強そうだよね。
顔にはトゲトゲもあって、近寄りたくないとケバダチは思ってしまう。
神話のグリンブルスティはすごいんだ。
ひかり輝いていたんだって。
 
(略)これは空と海を 夜も昼も どの馬よりもよく走ることができ、またこれが行くところは 夜でも闇の国でも十分に明るくはなっても 暗くなるということは絶対ない。と語った。そんなにも剛毛は光ったのだ。(略)
 <「詩語法」44章>

 
どんな馬よりも速く走れるイノシシなんだね。
スレイプニルよりも速いのかなぁ。。。(さすがにそれはないかな^^;)
猪突猛進って言葉どおり、イノシシの走りはちょっとした弾丸のようなイメージがある。
だからって現実のイノシシは馬より速いとは思えないから、神話の世界とはいえ相応の体格も必要だよね。
それでパペガではこんな大きな体にしたのかもしれない。
でも、剛毛は光り輝き闇の国でも明るくなったというんだから、
パペガで忠実に再現したらまぶしくてゲームできなくなるかもしれない。
茶色くて良かった。
 
驚くのは、
巨人族の優秀なイノシシ、というわけでもなく、世界樹あたりにいる神聖なイノシシ、というわけでもなく、このイノシシはドヴェルグ(小人族)が作ったというところ。
作りものなんだよ。
槍や刀を鍛冶で作るように、このイノシシも作っちゃったんだからドヴェルグの腕前すごすぎる!
 
このイノシシが生まれる発端は、またしてもロキのいたずらからだった。
 
アースガルドの神々はギリシャ神話の神々のように永遠の命があるわけじゃない。
命=老いない ために必要な命のリンゴがある。
不老のリンゴだ。
神々は自分の力の衰えを感じてきたり、白髪が気になるようになると、そのリンゴを食べて若さを保っていたという。
(ほしい!)
そのリンゴを守る女神を、巨人のもとへ騙してつれていってしまうようなことをロキはしでかした。
不老のリンゴが手に入らなくなった神々は、みるみる老いていったそうだ。
 
このいたずらは巨人の殺害で解決したけれど、神々のロキへの不信感が募っていくばかりだった。
そんな神々の視線に、ロキはさらにいたずらを重ねていく。
 
シヴの髪1
 
トール(ソール)は愛妻シヴ(シーフ)のみごとな金髪が大好きだった。
それがわかっているからシヴもその金髪を大事に大事にしていたそうだ。
 
JCドールマン1909
「シヴ」1906、J. C. ドールマン

 
それをばっさりやってしまったロキ。
(訳によれば「剃り落とした」というのもある。限りなくハゲに近い状態にしたようだ)
ロキにすれば、他愛のないいたずらのつもりだったのかもしれない。
何しろロキは義兄弟であるオーディンともよく旅に出たが、トールともあちこち旅に出ている。
愚直なトールと小賢しいロキは、性格が反対なだけに気楽に旅ができる友だったんだろう。
ロキが一番仲良くしていた神はトール、とみる研究者は少なくない。
そんな親しい友達の妻へのいたずら。
それが……
過ぎたいたずらだと知ったのは、怒りに震えるトールを見た時だ。
彼女を元通りにしなければ、体の骨という骨をみんなうち砕きかねない様子だったらしい。
トールにすれば当然だろう。
自分がやられて平気だとして、自分の愛する人がやられると許せない気持ちはすっごく分かる。
 
シヴの髪2
 
トール1872
「霜の巨人とのトールのバトル」1872、M. E. ヴィンゲ

 
トールは北欧神話での雷神であり最強の神で、巨人たちももっとも恐れた神だ。
単純で力持ち、人間には親切だったという。
ノルウェーやアイスランドでは、オーディンよりも愛された神らしい。
ただ怒りっぽく、あっと言う間に殺してしまう。
ロキがアース神の仲間でなかったら、その場で殺されてたんじゃないかな。
 
さてロキの言った黒アールヴについて。
北欧神話には、神族、巨人族、人間族、小人族(ドヴェルグ)、そして妖精族(アールヴ、エルフ)がいた。
妖精族の中でも、
神々に似たリョースアールヴ(光の妖精)
 と
ドヴェルグに似たデックアールヴ(闇の妖精)
の2種類に分かれたようだ。
デックアールヴは黒アールヴともいい、スノッリはデックアールヴがドヴェルグだと言及しているので、同一視されることも多い。
けれどスノッリが必ずしも正しいわけではないので、鵜呑みにはできないと思う。
 
ヴァン神族(フレイを筆頭に)がアールヴだと解釈する研究者もいる。
さらに、ヴァイキングの祖たちはアース神たちへの信仰よりも前から、アールヴへの信仰があったようだ。
(アース神たちの話が作られる前からアールヴの存在を認識して信仰していた、ということ)
アールヴ=先祖霊でもあり、彼らは加護を与えてくれるものであり、信仰の薄さや悪行をすれば害をなしてくると考えられ、供養祭も行われていたらしい。
なので、ドヴェルグと黒アールヴは別の存在ではないかとわたくしは思っている。
 
リョースアールヴデックアールヴ
所在アールヴへイム地下世界、スヴァルトアールヴへイム
特徴太陽よりも美しい(神々と似ている)石炭よりも黒い(ドヴェルグと似ている)
フレイが支配している
他の神々と友好関係

イメージはこんな感じかな。↓
妖精 
 
光の妖精は神々に似ていて太陽より美しい、なら男女問わず美人だろう。
対する闇の妖精なら、ヒールとして格好良さを期待したいところだけど、
外見は総じて醜いとされるドヴェルグに似ているのなら、残念な容姿だね。
(以下、残念な容姿のマンガが続きますw)
 
ロキは地下にもぐって、イーヴァルディ(イヴァルド)の息子たちのもとに行った。
この話はスノッリのエッダが元なので、一応ドヴェルグとして描くと、
 
シヴの髪3
 
この魔法の品々の出来に気をよくしたロキは、さらに多くの品を手に入れようと画策する。
ブロックというドヴェルグにこの品々を見せ、
「俺は賭をしてもいいが、お前の兄弟のエイトリ(シンドリ)でも、これほどすばらしい3つは作れまい。そのためには、おれはこの頭を賭けてもいいぜ」
と、けしかけた。
バカにされ怒ったブロック。
「スヴァルトへイムからもってきた物なんか、兄弟のエイトリが作った物と並べたら、神様方のお目にとまるわけない」
と賭けにのってしまう。
(「スヴァルトへイムから」と口にしてるということはドヴェルグの住む世界とは違うということだろう。やはり黒アールヴとドヴェルグは別の種と考えたほうがいいんじゃないかなぁ・・・)
エイトリの3種

ロキがアブに変身して邪魔をしたにも関わらず、ミョルニルの柄が短いという以外、すばらしい出来の魔法の品々。
エイトリは3つをブロックに手渡し、アースガルドの神々に賭の審判をあおげという。
勝利とロキの首はブロックのものだと、自信をもって送り出す。
 
ロキとブロックがアースガルドの集会所に宝をもってきた。
審判はオーディン、トール、フレイの3大神にゆだねられた。
ロキはグングニルをオーディンに。金の髪をトールに。スキーズブラズニルをフレイに渡し説明をした。
 
アース神たちの神話ができた頃(紀元前)は、槍がメイン武器だったようだ。
主神であるオーディンに槍が渡されるって、これは正道だろう。
 
グングニル
もってるわけないw1つだけ売りに出てたからスクショ撮れて良かった^^

そしてグングニルはオーディンの代名詞のようになっていく。
 
グングニル像
「オーディン」1890年頃、大理石、R. フォーゲルバーグ
 
トールが妻のシヴの頭に金の髪をのせた途端、その頭皮につき、本当の髪のように細く、柔らかく、光って垂れた。
それどころか、以前の髪よりもさらに美しく輝いた。
見守っていた神たちも女神たちも手を叩いて喜んだ。
(トールが一番喜んだんだろうなぁ)
 
そしてスキーズブラズニル。
ガルムのところでも書いたが、このスキーズブラズニルが船の中で一番だという歌も残っている。
 
ユッグドラシルのトネリコ
これは樹木の最高なり、
そして船の中ではスキーズブラズニルが、
アースたちの中ではオーディンが、
そして馬たちの中ではスレイプニルが、
(略)
そして犬たちの中ではガルムが、
 <「グリームニルのことば」44>

 
必要となれば、アースの神々全員がゆうゆう乗船できるほど巨大にもなる船だったらしい。
72700_skidbladner_md.gif
「スキーズブラズニル」1909年、Klugh

 
それでいてポケットに入るぐらい小さく折りたためるって、んなバカなと思うけど神話だから何でもありだ。
その割に、活躍している場面は手持ち資料にもちょっとググっても出てこない。
もしかしたらフレイのポケットに入りっぱなしだったのかもしれないw
 
次はブロックだ。
3つの宝を出して説明する。
腕輪のドラウプニルをオーディンに。グリンブルスティをフレイに。ミョルニルをトールに渡した。
 
ドラウプニル
「ドラウプニル」1984年、アラン・リー 地下の鍛冶場で造りだしてる絵
 
金は力の象徴だ。
それが9夜ごとに8つ生み出すというのは、聖人でも心が揺らぐほど魅力的だろう。
オーディンはすぐにその腕輪を身につけた。
金に輝くイノシシも迫力がある。
上にあげた「グリームニルのことば」には載ってないが、馬よりも速く走れるのだからグリンブルスティは最高のイノシシってことだろう。
ミョルニルも、柄が短いという欠点以外はトールにぴったりとくるものだった。
トールは手にすると頭上でブンブン振り回した。他の神々からはトールが一回り大きくなったようにも見えたようだ。
しかもミョルニルは、そうしたければ自分の肌着の中にしまっておけるほど小さくなるとブロックは語った。
 
ミョルニルのペンダント
出土したミョルニルをかたどった様々なペンダント、スウェーデンのWIKIより

 
ロキの出したものも素晴らしかったが、神々の審判はブロックの勝ちだった。
のちのちの巨人との戦いを考えた時、ミョルニルをもつトールの存在ほど頼もしいものはないという結論だったからだ。
 
こんな経緯でグリンブルスティが生まれ、フレイの乗物となったんだ。
 
Freyr_by_Johannes_Gehrts.jpg
「フレイ」1901、ヨハネス・ゲールス
 
 
彼は大切な場面ではこのグリンブルスティに騎乗して出掛けた。
フレイにとって誇らしい宝だったことは間違いない。
(マンガを除くほとんどの画像が、クリックで拡大するんで、興味があったらどうぞ)
 
妹フレイヤのヒルディスヴィーニは次回に。
 
 
【おまけ】
さて、先の賭で負けたロキ。
頭を賭けたのだから「死」が待つわけだが、神々もこれだけの宝をもってきたロキを殺させるのは忍びなかった。
神々はブロックに対して賠償金を払うと申し出たが、ブロックは拒否。
にくたらしいロキの頭がほしかったんだ。
けれどロキは「掴まえてみろ」と逃げる。(おい!)
ロキには空でも海でも走れる靴があった。ブロックが掴まえられるわけない。
ブロックがトールに掴まえてくれと頼むと、トールはいう通りに掴まえた。
トールは真っ直ぐな男だからね。この場で逃げるのは卑怯だと思ったんだろう。
 
いよいよロキの首がとぶ、と思われたが、「頭を賭けたが、首にちょっとでも傷を付けたら承知しない」とロキ。
頭を賭けるっていうのは、首をはねるってことだと思うけど、頭は頭で首には触るなっていうロキの理屈。
悔しかっただろうね、ブロック。
それでロキの憎たらしい発言元である口を縫い合わせるんだ。
口の上手い男、ロキが喋れなくなった。
それでしばらく、いたずらができなかった。
でもそのことで、同情する神はいなかったそうだ。
 
 
-1.jpg
口が縫い合わされたロキが描かれた石、デンマーク国立博物館
 
ロキの口が縫われちゃってるね。
この石はふいごの横に置くものだそうだ。
ふいごの横ってどうしてかわからないんだけど、ソープストーンでできているとあった。
ソープストーンって氷がわりに使う石だからさらに「?」になったけど、高い耐熱性と蓄熱性があるから高温でも低温でもOKみたい。
低温特性を利用したのが、氷がわりのアイスキューブになるんだね。
北欧では昔からソープストーンの高温特性を利用して、薪ストーブにしているって今回初めて知った。
一度暖めたら、火を消しても1日中部屋を暖めてくれるんだって。
同じ国立博物館のHPにはこんな写真もあった。
 
-2.jpg
 
ロキの頭にw
なんだか、今でも罰ゲームを受けてるように見えてしまうのはケバダチだけかなw
 
 

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