北欧神話ーグリンカムビとヘイムダル

北欧神話のまとめ。いつものようにゲームとは直接関わりありません。
 
 
グリンカムビ
 
グリンカムビ
 
17階層ラストマスのボス。グリンカムビ。
(↑のスクショだよね? 整理してないから間違ってる可能性もある^^;)
 
グリンカムビは世界樹ユグドラシルのてっぺんに止まっている雄鶏。
グリンカムビは「黄金のとさか」という意味だそうだ。
ん? なんか、聞き覚えあるよね。
そう。12階層のボス、ヴィゾーヴニルと似てるよね。
 
アース神のものでは、グリンカムビが鳴いて、戦の父の戦士たちを目覚ました。…(略)
 <「巫女の予言」43より>

 
最終決戦、ラグナロクの始まりをグリンカムビが鳴いて伝える。
そのときの声で、戦の父の戦士たち=エインへリアルたちが目覚め、出陣の支度にとりかかるんだ。
 
手持ち資料その他をみても、出てくるのはこれだけ。
終わり。
いえいえ、ネットでも少しは調べましたよ。
日本語版wikiにこんなイラストが差し込まれていた。
 
ヘイムダル
 
ヘイムダルだ。
「グリンカムビとおぼしき雄鶏を…」とあるね。
こういう絵って暗喩だったり、実は同じ事を表現するための重ねる手法だったりする。
ラグナロクの際、それを知らせるラッパを吹いたのはヘイムダルだった。
グリンカムビも鳴いてエインへリアルたちを起こす。
共にアースガルドに住まう神や人を起こす(知らせる)役目なんだ。
 
ヘイムダル
 
ヘイムダル(ヘイムッダル、ハイムダッル)はアースガルドと他のを結ぶ虹の橋(ビフレスト)を守る神々の番人。
人間の祖先でもある。
 
ヒミンビョルグという所あり、
そこでヘイムダッルが聖所を治めると、人びとは言う。
そこにて神々の見張り人は
心地よき住まいの中で愉しく
うまき蜂蜜種を味わう。
 <「グリームニルのことば」13>
 

ヒミンビョルグはヘイムダルの館。
アースガルドの端にあるにあって、虹の橋の側だ。
知らずに巨人が出入りしないよう見張り役をしてるんだ。
関所みたいな感じだろう。
そこに出入りがなければ、お酒を飲んで楽しく過ごしているみたいだ。
 
わたくしは個人的に、このヘイムダルこそ神らしい神だと思っている。
 
今までの北欧神話記事を読んだ人はわかると思うけど、どの神もやたら人間くさいよね。
いたずらばかりするロキとか。
誰かれ構わず一夜を共にするフレイヤとか。
恋したら後先考えずに武器をあげちゃうフレイとか。
主神のオーディンさえ、人間のことに口を挟みすぎて災いの元になってるようにも見えることがある。
その点、ヘイムダルは神の世界で酒をくらってるなんて、その暢気さはわたくしから見れば神様らしい存在w
生まれもちょっと変わってる。
 
なんと、9人の巨人から生まれてるんだ。
巨人の9姉妹がオーディンとの間にヘイムダルを息子として産んだんだ。
9人で1人を産む???
訳がわからないよw
その9姉妹は「波」のことだろうと考えられている。
波から生まれたなんて神らしい話でしょう。
生まれたヘイムダルの歯は黄金なんだ。
黄金というのは富や権威の象徴なだけでなく、神聖さも現している。
生まれながらの神ってことだろう。
 
Heimdal_and_his_Nine_Mothers.jpg  
「ヘイムダルと9の母親」1908、W. G. コリングウッド
 
(略)彼は鳥よりも睡眠を必要としない。夜でも昼でも、百マイルはなれたところまで見えるし、地面の草の生長する音や羊の毛が伸びる音、それより高い音は、もらさずききとれるのだ。彼はギャラルホルンという喇叭(ルーズ、ラッパ)をもっており、彼の吹き鳴らす音は世界の隅々まできこえる。(略)
 <「ギュルヴィの惑わし」27より>

 
寝なくても平気。
100マイル(約160km)(古代の100なら120のことだから200km近くの長さになるね。本当にマイルなら。原文未確認)まで見える視力。
草の生長する音よりも大きければ聞こえる聴力。
何dBから聞こえたんだろう。すごいよ!
これこそ神だよ!
この視力と聴力をかわれて番人となったんだろう。
(オーディンが知恵を得るために片眼を捧げたように、ヘイムダルもその聴力を得るため片耳を捧げたと考える研究者もいる。まだその証拠を示す文章は見当たらないらしい)
 
さらに彼は人間の階級を生んでいる。
エッダの中に「リーグの歌」というのがありその誕生が詳しく歌われている。
リーグはヘイムダルのことだ。
 
リーグはある農家に宿を借りる。
そしてそこの夫婦の真ん中に横になった。
つまり、夫・リーグ・妻の川の字だ。
 
人間の祖
これはふざけすぎかなw
でも夫婦の間に割り込むってできることじゃないよ。
「わたしは神なのだ。言われたとりにしなさい。悪いようにしない」
とか言ってるんじゃないかな。

 
そこで3晩過ごし、旅に出てある館に泊まる。
また夫婦と川の字で3晩過ごし、次の館へ。
またも夫婦と川の字で3晩。
やがて9ヶ月経ち、それぞれの夫婦に子どもができる。
最初の夫婦には、黒くて醜いが丈夫な子が生まれる。
奴隷階級の祖先だ。
次の館の夫婦からは、目がよく動く子が丈夫な子が生まれた。
自由農民の祖先だ。
最後の館の夫婦からは、髪はブロンドで頬が白く、目は蛇のように鋭い子が生まれた。
彼が王侯階層の祖先になるようだ。(その言葉が書かれるべきところは消失している)
「リーグの歌」は王侯階層の間で成立したそうで、後ろが消失しているということだけれどなかなかおもしろい。
ヘイムダルが各階級の祖先となる子を夫婦と生み出すんだが、その夫婦の名前が「祖父」「祖母」など、古ノルド語の勉強になってしまう。
日本の神話の神々も名前にちゃんと意味があったよね。詳しくないけど共通点があっておもしろい。
言語センスのないケバダチは慣れない言語にあたふたしちゃうけれど、それでもおもしろいと思えたので、入門にいいと思う。

 
アース神の信仰があった時代は、身分制度があった。
王→諸侯→自由農民→奴隷
場所によって多少の違いはあっても、だいたい、大きくこの3階級に別れていたそうだ。
(アイスランドは除く。アイスランドは王制を嫌って逃れた人たちが建国した共和制社会)
「リーグの歌」によると階級ごとに人間の容姿から能力まで、怒りを伴うほどの差別があるけれど、当時の考えを知るにはいい。
 
 身分階級

図にするならこんな感じ。
奴隷階級の人も、「神が人間に身分と階級を与えて作られたのだ」と言われれば、その身分を受け入れるしかないだろう。
神ははじめに枝に息を吹き込んで人間を作った。
けれどその人間は、漠然とした人間だった、ということのようだ。
「ヘイムダルが各階級の祖先を作った」というこのエッダは、政治的に作られてると強く感じるけれど、奴隷には奴隷の、王侯には王侯の生まれながらの使命がある、あるいは使命を持って生まれてきたのだと納得させる内容じゃないかと思う。
そういうわけで、ヘイムダルこそ神様らしい仕事をしてるってケバダチは思うのです。
 
さらにヘイムダルは、「白きアース」と呼ばれるぐらい神聖で美しかったそうだ。
エッダによっては「アースで一番美しい神」というのもある。
まぁ一番美しいは他にもいるんで、アースガルドで嫌う人はいなかった存在なんだろう。
 
オーディンは槍が目印であるように、ヘイムダルはラッパが目印。
ギャランホルンという名の角笛で描かれている。
ただ、北欧神話の最も基礎となる「巫女の神話」ではフリューズと書かれていて、当時のそのラッパはこんなだったらしい。
 
 
hljóð old north grafið
「青銅製ルーズ(ラッパ)」デンマーク出土、デンマーク国立博物館蔵

 
年代がわからないんだけど、最も古い時代にはこんな形のラッパを持つのがヘイムダルのイメージだったのかもしれない。
このヘイムダルのラッパが、ラグナロクの始まりをアースガルドの神々を起こすんだ。
そしてアース神の世をラグナロクへと導いた元凶ロキ、と決するのもこのヘイムダル。
(もとから犬猿の仲だったみたい。ロキとの決戦はまた別に)
 
220px-Processed_SAM_heimdallr.jpg
「ギャラルホルンを吹くヘイムダル」18世紀写本から
 
最終決戦を知らせるラッパは黄金でできていて、その時までユグドラシルの下に隠しておいたそうだ。
吹き鳴らすと、諸世界すべてに聞こえる。
これでアース神を戦に呼び集めたんだ。
 
グリンカムビはエインへリアルを。
ヘイムダルはアース神たちを。
ラグナロクの開始を知らせる役割は同じ。
だから、最初にあげたようなグリンカムビが頭にのった絵が描かれたんじゃないかな。
 
また、ヘイムダルはその生まれから「波間から上ってくる曙光」だと学者によっては解釈されている。
夜明けの光とニワトリのときの声。
どちらも決戦の幕開けらしい例えだよね。
 
 
さてグリンカムビとヴィゾーヴニル。
共に黄金色で、ユグドラシルのてっぺんにいる。
このため両者同一ではないかという説もある。
わたくしも同じだろうとみている。
何度も書いてるが、とにかく信仰された地域が広いので、全く同じ伝承なんて有り得ないし、二次創作もある。
同一だとしたら、どちらが親で、どちらがコピーか。
わたくしは特別な役割のないグリンカムビが、ヴィゾーヴニルとして二次創作されたんじゃないかと思っている。
同じ人物が別の名をもつって、あまりにも多い北欧神話の中のことだしね^^;
 
ヴィゾーヴニルではなく、グリンカムビがメインだと思うのは、これを知ったから。
  logga-livstr.gif

スウェーデンはヘリエダーリン地方Överhogdalの特産品として商標登録しているのがこれ。
ユグドラシルと、そのてっぺんにグリンカムビがデザインされている。
ヴァイキング時代のものが見つかって(炭素検査によると9世紀〜12世紀の品だそうだ)、その昔ながらのタペストリーを製作販売しているようだ。
 
tapeten-a1.jpg

 
このタペストリーのデザインからとったみたいだね。
それにこんな昔ながらの燭台も、スウェーデンでは普通にみかけるらしいんだ。
 
IMG_0288.jpg

 
やはりユグドラシルとグリンカムビ。
スウェーデンの人がグリンカムビというなら、やはりグリンカムビありき、だと思うのよ。
パペガではヴィゾーヴニルと別にしているよね。
それもありだと思う。
「これが正しい」というほど、ハッキリわからないのが神話らしいしね。
さらに研究が進むのを期待することにしよう。
 
最後になったけどこのグリンカムビ。
パペガではどんな攻撃してくるんだろう。(ま〜ったく覚えてないw)
怪音攻撃みたいなのがふさわしいと思うが、パペガにSE攻撃はないよね。残念w
 
 

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